最低賃金生活体験と読書=二重または重層的な人生

フランツ・カフカの『訴訟(『審判』)』はもっともドストエフスキー的と言われているようです。 後者の『地下生活者の手記』にみられるパラドックスの二択でどちらが良いと思うか、という問題は、まぎれもなくこの現実世界の二重性を表現し、誹謗から惨殺にまで運命をもてあそばれるかのようなヨーゼフKは実に自分の身に降りかかったことの表現のように思いました。それが2016年の10月ころから2019年1月の今にまで至っていると考えています。
殺されかけてなお生きている物語は、生きて帰りし物語の現代版なのでしょうか。