2020年2月1日(土)最賃生活体験第1日目 ドストエフスキーから始めます

出だしの初日である本日は土曜日で最終日の29日も土曜日なので、今年の最賃体験運動は、土曜日に始まり土曜日に終わる、というわけです。平日ではないために、また参加すべき催しも特になかったため、どこにも出掛けないことにして、交通費はゼロ円ですが、消耗品はトイレットペーパとキッチンペーパーを買わなければならなかったため、さっそく796円、そして暖房のための灯油18リットルを売りに来る日でしたから、1,490円の支出でした。

朝食は小さな蒸しパンとココアで30円、昼食は混ぜご飯にサワラの西京焼き、ブロッコリ、豚しゃぶ(馬路村のポン酢)で350円、夕食は味噌煮込みきしめんで200円、食費合計は580円、本日の支出小計は2,856円です。

 

2月22日にはあいち外国語大学でドストエフスキーの『賭博者』についての講演2本と『カラマーゾフの兄弟』をめぐってのシンポジウムがおこなわれるので、今からさっぱり忘れてしまっている『賭博者』の再読をはじめていきます。

昨年、遅々として進まなかった『未成年』のアルカージイの登場とちょっと似た雰囲気の始まり方です。

ずっと目が悪くなって、若いときと比べると読むスピードがとても遅くなっているためかも知れませんが、同時並行で3冊位を読んでいますから、頭の中がおもしろくなっています。それでもほかに読みたい本がつぎつぎに関心としてあらわれてくるので、抑制しなければなりません。

最賃生活体験も、買い物衝動のフラストレーションに対する自分の欲望への抑制をおこなわなければなりません。物事は何でも自分の思うとおりにはならないものなので、この思い通りにならないことが「苦」の生起ですから、苦とたたかい、苦を克服するということに通じているのです。

ドストエフスキーが表現していることについても考えると、その文学では社会や政治の抑圧への感覚、この抑圧に対する人間の闘いの感覚が感じ取れるのではないかと思っていままで長い期間、読んできました。

大江健三郎村上春樹なども、1年に一度はドストエフスキーに立ち返るということを繰り返しているともなにかで読みました。

ドストエフスキーから始める、ということは変革の時代のひとびとの共通な感覚の確認をしていく、ことなのかも知れません。それは時代に対して鈍感であってはならず、鋭敏な智慧をめざしてすすんでいくことにつながっています。最賃生活体験運動を、そうした営みにつなげていくことこそが大切だと思います。